『みどり葉』2025年3月号 | 福井県立高志高等学校同窓会　みどり葉会

令和7年度「みどり葉の集い」のご案内

　平素は高志高等学校同窓会への格別のご支援ご協力を賜り、厚く御礼申し上げます。

　さて、高志高等学校同窓会「みどり葉の集い」を、令和７年6月14日（土）、例年同様にフェニックスプラザにて開催することを予定しております。母校創立77周年となる今回の集いでは、総会と講演、懇親会を通して同級生、先輩後輩方との交流を一層深めるとともに、記念誌発行、母校への寄付なども行い、今後も高志高等学校の卒業生として、母校のますますの発展に寄与する所存です。

メインテーマ「『我あり』～をの子われ乙女われ～共に集い歌おう」について

　私は高志高等学校の校歌が大好きです。特に「をの子われ～、乙女われ～」のところは、校歌前半の福井の自然、大きな空、高志の白山に見守られながら悠々と学業に励むかのような「ゆったりとした」前半パートと、後半の感動的な大団円パートとを繋ぐ形で、「祖先から繋がれ、両親から賜った命を、これから世に未来に活かすべく、私たちはここで学んでいるぞ！」と宣言しているかのようで、歌う度に気持ちが高揚したことを覚えています。

　我々が入学した1992年春、高志高の「文武両道で自由な校風」という、学校群制度導入前からのスクールカラーはより発展し、先輩方はキラキラ輝いていて、校内は活気に満ち溢れていました。

　一方、日本経済は過度に膨れ上がったバブルが崩壊。1992年8月、東証に上場されていた株式の時価総額は1989年末の611兆円から269兆円と半分以下になっていました。そこからの10年で多くの銀行、証券会社などの大手金融機関の破たんが続き、金融不安が加速。多数の企業倒産、従業員の解雇、金融機関などの統廃合が続きました。正社員が減少し、若者にはフリーターやニートが急増。政府は欧米の圧力に負け金融自由化を断行したり、消費税を増率したりと迷走し、大人たちには終わりの見えない不景気への「不安」が渦巻いていました。

　この所謂「失われた10年」、まさに青春のど真ん中であった我々は、センター試験直後に発生した阪神大震災の被災報道を気にしながらの大学受験、そして3月には地下鉄サリン事件が発生。「非現実が現実」という混沌とした世情の中始まった学生生活の終盤には「超就職氷河期」というラスボスが鎮座していました。そしてようやく仕事に慣れてきた2008年の「リーマンショック」、2011年の東日本大震災、仕事や家庭で責任ある立場の中、2019年に発生した「コロナ感染症大流行」と、この30年は卒業時に想像した未来を、良くも悪くも大きく凌駕していきました。

　そして、「バブル世代」と「ゆとり世代」に挟まれた我々の世代には、いつのまにか「ロスジェネ世代」（ロストジェネレーション（失われた世代））という嬉しくない呼び名がついていました。はて、我々は何を失ったのでしょうか。高校卒業後、我々は良いことも良くないこともしっかりと経験し、噛みしめ、受け入れ、血肉とした今、「あたりまえのことなど何一つない、そして無駄なことも何一つない」ということを学んだことに気づきました。我々は時代に翻弄された「かわいそうな世代」ではなく、「かけがえのない時代を大いに経験し、そこから大いに得た世代」だと自負しています。今ここに「我あり」と高らかに宣言し、「第46回みどり葉の集い」をコロナ禍で先輩方がご苦労された、「集うこと」を中心に据えて設えていきます。全世界で活躍する諸先輩のみなさま、そして誇らしき後輩のみなさん、2025年6月14日フェニックスプラザ大ホールで、大きく高らかに、共に校歌を歌おうではありませんか。

令和7年度みどり葉の集い
実行委員長谷尾準一

令和7年度みどり葉の集い特設ページ
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